柔道整復師に取扱いが認められている健康保険の内容

国家資格である柔道整復師(整骨院・接骨院の先生)には、健康保険の取扱い【療養費受領委任払い制度】が認められています。
どういうものかと言うと、保険適応になるのは『骨折』『脱臼』『打撲』『捻挫』『挫傷』と言った急性の外傷(ケガ)のみとなるのです。(※骨折・脱臼に関しては、応急処置を除き医師の同意が必要となります。)
この事は法で定められていますので、日本全国どこの整骨院・接骨院でも同じです。

これってどうなんやろ〜

柔道整復師による不正請求問題

以前から、何度かテレビや新聞で取り上げられている、柔道整復師による不正請求問題をご存知でしょうか?
本来なら保険適用外の疾患である「肩こり」「慢性腰痛」「五十肩」「変形性膝関節症」等々を、捻挫、挫傷、打撲といった傷病名におきかえて不正に療養費を請求するというものです。
なかには、「肩こりの原因は首回りにあるのだから、頚部捻挫なんだよ!」などと言われている柔道整復師の先生もおられるみたいですが、先ほど書かせていただいたように急性のケガのみに保険は適用されますので、論理的に無理がある話です。
このような事は、整骨院業界の世間での評価を落とすだけでなく、国が抱えている問題の一つである増えつづける医療費問題の原因の一つにも挙げられます。

当院が健康保険を取り扱っていない理由

当院では、本来健康保険が適応できる『骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷』でも健康保険は使っていません。
それはなぜか?
理由としては、
『保険でできる施術の内容や規定がとてもせまく、根本から治そうと思うと逆に保険が足かせになってくるから』と言うことなのです!

一つの例ですが、ケガをして七日間経っていたとしても、まだ腫れている場合には冷やすという施術が必要となってきます。しかし冷やすという施術は受傷後七日間経過していた場合、保険適応外となってくるのです。
また、当院には「ラディケア‐HV」という物療機器があり、治癒を促進したり疼痛の軽減に用いるのですが、これは保険の適応ではありません。
保険適応の施術と保険適応外の施術を同一疾患におこなうと、『混合診療』と言う事になり、結局は保険適応外となってしまうのです。

つまりトータル治療として早期の治癒を目指した場合、どうしても健康保険が足かせになってしまうのです。
以上の理由により、つつじ整骨院では交通事故治療以外はすべて自費診療とさせていただいております。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

(柔道整復師 辻喜次 監修)